- 関節リウマチとは
*関節が痛む *関節がはれる *朝、起きた時の手指のこわばり
このような症状を感じたことはないですか。
関節リウマチは免疫の異常により、関節の腫れや痛みが生じる病気です。どの年齢にも起こる病気ですが、主に30代から60代で発病し、30歳以上の人口の1%にあたる人がこの病気にかかるといわれています。また、男性より女性の方が約3〜4倍の割合で多いことから、特に中高年女性にはとても身近な病気と言えます。
関節とは骨と骨をつなぐ部分で、固い骨と骨が直接ぶつからないように、わずかな隙間(関節腔)は粘りのある関節液(滑液)で満たされ、動きをなめらかにしてくれます。また、関節の表面は柔らかい組織でできた軟骨が覆っており、クッションの役割を果たしています。関節全体は関節胞に包まれ、その内側にある滑膜が関節液(滑液)を分泌しています。関節リウマチによって生じる痛みや腫れは、この滑膜に炎症が起こることによって生じます。
完全に病気の原因がわかっているわけではありませんが、全身の免疫の異常にともなって関節と骨を覆う滑膜に炎症が起き、軟骨や骨を破壊していき、病気の発症後半年以内から、関節破壊が起き始めると考えられております。
進行すると痛みや骨の変形により日常動作が著しく阻害され、悪化すると寝たきりになる場合もあります。ですが、ここ数年の劇的な治療方法の変化により、早期発見・早期治療が可能になってきました。
- 早期治療が肝心です
近年、関節リウマチの治療法の開発は急速な勢いで進んでおり、次々に新薬が開発されています。これによりかつては不可能であった病態の進行を抑えることが可能になりつつあります。そのため、発病してなるべく早い時期に診断して、治療を始めることがより重要になってきました。
ただし、関節の痛みや炎症などはかぜなどの症状でもみられ、ほかの病気でも起こります。特に発症の初期段階であるほど、症状だけで診断することは困難で、リウマチの診断・治療を専門とする膠原病内科やリウマチ専門医の診断を早期に受けることが大切です。- 関節リウマチ治療におけるトータルマネジメントの重要性
新たな治療薬が開発され、有効性とともに重篤な副作用がある場合もあります。そのために地域のかかりつけ医以外に専門の病院との連携を図ることが重要になってきました。
リウマチは原因がまだ分かっていない為、根本的は治療法はなく、生涯にわたる治療が必要になります。当院では、地域のリウマチかかりつけ医として適切な診断・治療をおこない、専門病院との連携をうまくはかり、なにより患者さん自身に病状を正しく理解してもらうことで治療をスムーズにすすめることができます。
当院の院長は日本整形外科学会認定リウマチ医を取得しています。関節リウマチやリウマチ性疾患について研鑽を積み、リウマチ患者さんを数多く診療し、そしてリウマチ学に関する十分な知識を持っています。当院はリウマチかかりつけ医として患者さんそれぞれの症状に合わせて、患者さんとともに治療していきます。- 適切なリハビリ
関節リウマチを発症すると、痛みのため関節を動かしにくくなってきます。ですが、痛いからといって寝てばかりでは、関節が固まってしまい筋力も衰えて、かえって日常生活に支障が出てしまいます。薬物療法などで関節リウマチのコントロールが出来たら、早い段階でリハビリテーションも導入していきます。関節の可動域を広げたり、筋力や関節の機能低下を防ぎます。自分の状態にあった適切なリハビリをつづけていくことが大切です。